■アクエリアスゲート・夕霧自室■

「呪印の痛みが日を増すごとに強くなっていく…」

鼓動のような痛みが腕から全身にかけて走る。
苦悶の表情を浮かべ、夕霧はシーツに包まった。


第七幕 異変微動


<焔護の回想>
■アクエリアスゲート・ホール■

焔護、これはなんの衣装だ?


「動きやすいだろ?それはもともと体操するために着る服だからな」
「もともと、というのはどういう意味だ?
「いや、最近は別の属性が付加されているからな」
「属性?」
「萌え属性だ」
「…よ、よく分からないが…。しかし、このぴっちりとしたのはどうかと…」
「そーか?」
「大体、体のラインが出過ぎだ…」
「恥ずかしいのか?つまらんやつだ。そんなんじゃ俺に勝てんぞ」

むっ、とした表情になる夕霧。

「なんだとっ!!!そうまでいうならやってやる!!
「できるなら初めからやれ」
バカにするなっ!!!!


夕霧が飛び掛る。
殴りかかった夕霧の腕を掴み、焔護は引き寄せた。
そして、夕霧の右腕の袖をまくり上げた。夕霧の右腕にあった印が少し大きくなっていた。

「――なっ!?」
「…呪印が成長しているな。…お前、これはいつからついているんだ?」
「な、なにを…?」

頭にノイズのような痺れが走る。

「質問に答えろ。脱がすぞ?」
「うっぐぐっ…し、知らん!気がついた時には既についていた!も、もういいだろう、放せっ!」

掴まれた腕を無理やり振りほどく夕霧。

「ふむ…」
「きょ、今日はこの辺で終わりにしてやるっ!」

右腕を押さえながら自室に戻る夕霧。焔護は腕を組んでその後姿を見送った。