第十幕 Stage conversion

■アクエリアスゲート 無限回廊■

焔護さんの後をついて行くと、今まであまり行ったことのない無限回廊の
接続部分というところにつきました。
あとで焔護さんに尋ねると、無限回廊とは、ここ<アクエリアスゲート>の次元と、
別次元を結ぶ通路で、通常は閉じている(別次元と繋がっていない)ということでした。
…聞いてもよくわかりませんでした。

その無限回廊接続部分に知らない女の人がいました。

「誰?」
「さ、さあ…」

水姫さんが私に尋ねましたが、私も全然知らない、見たことのない人でした。
その女の人は焔護さんに近づくと、親しげな感じで声をかけられました。


「…久しいな、焔護」
「なんだ、お前か」

なんだか凄く落ち着きのある人でした。
焔護さんも知っている人のようです。…一体誰なのでしょうか…?

「何しにきた、黒咲」
「お前がまたいろいろ拾ったと聞いてな…」

といいながら、<黒咲>と呼ばれた女の人は、水姫さんと私を見ました。

「おい、二人とも」

焔護さんが水姫さんと、私を呼びました。

「何ぼーっとしてんだ?自己紹介」
「――あ、はーいっ。ボク、朝霧水姫!よろしくねっ」
「あ、あの、私は水鏡澪と申します」
「…私の名は黒咲綾。焔護とは旧知だ。まあ、腐れ縁、というヤツだ…よろしく」

少し、黒咲さんが水姫さんを見ました。


「ワシはこいつと少し話があるから、お前たちは好きにしてていいぞ」
「あ…はーいっ」
「わかりました。では…お茶をご用意してきます」
「焔護さん、さっきの話、あとで聞かせてよねっ!」
「気が向いたらな」

焔護さんが面倒臭そうに言いました。


…お色気関係は無し?