第十四幕 Hack

■アクエリアスゲート■

「さて…」

中央世界からマスターに転送されアクエリアスゲートに戻ってきた焔護はコンソールパネルを開いた。
超次元素粒子を介し、プレアデスのハッキングを開始する。
マスターから貰ったチップを接続し、起動。座標軸を参考に亜空間をスキャニング。
ある程度空間域が限定されていた為、それ程時間をかけずに
次元移動組織プレアデスを発見することが出来た。

「よし…目に物見せてやる。慌てふためけバカ」


■次元移動組織プレアデス本艦・超次元要塞サーペンタリウス■

「三番艦、五番艦沈黙!…四番艦反応ありません!!――艦長!」
「補助艦が全滅だと!?いったいどうなっているんだ!?」

そんなこんなでてんやわんやの艦内部に更なる衝撃がはしる。
突然正面巨大スクリーンに警告の文字と警戒音が流れた。

「―――こ…これはっ!?」
「今度は何だ!?」
「か、艦長!!本艦の座標位置が外部よりスキャニングされています!」
「何!?どこからだ!?」
「XY2004・GN003・UH00XX…中央…いえ、この座標は…アクエリアスゲートです!」
「ゲート間の物理干渉は不可能のはずだ!次元跳躍する侵攻などありえん!」
「い、いえ…これは…!!…なっ、わ、我々を捕縛するつもりです…!!!」
「アクエリアスゲート…夕霧が倒されたというのか!?――状況は!!!」
「くっ、キャッチされました!次元固定されます!」
「無限回廊接続開始…エントランスに固着しました!」
「外部コード高速で書き換えられています!アルファ01からデルタ34まで汚染されました!」
「エントランスブロックをパージしろ!」
「む、無理です!既に侵食域がエントランス部位を越えています!」
「シータ72まで汚染されました!…こちらからのコマンドを受け付けません」
「猛烈な速度でこちらのプログラムを侵食中!!そ、そんな…これはまるで――」
「なんだっ!?」
「いい例えを思いつきませんっ!!」
「言ッとる場合か!!や、やむ終えん…!!船首部分を切り離して次元跳躍する!!」
「ダメです!地獄炉が沈黙しています!!――再起動受け付けません!!!」
「まさか…そんなはずは!!!地獄炉まで乗っ取られたというのか!?」
「次元歪曲修正、無限回廊固着…接続されました。実体化始まります…!!」
「――物理域に変化あり!こちらの素材が一部変質を起こしています!!!」

警報が鳴り響き全画面がすべて赤色に染まる。

「オメガ99…汚染…全コントロール、ハッキングされました…」
「閣下に連絡を!」
「か…閣下はその…」
「構わん!緊急事態だ!!」
「は、はっ!」

かくして、いきなりシリアスになりつつ
アクエリアスゲートと次元移動組織プレアデスの主戦艦<超次元要塞サーペンタリウス>が
次元通路<無限回廊>を介して接続した。
これにより、超次元要塞サーペンタリウスはアクエリアスゲートと同次元に存在するととなる。