第十五幕 Inrush

■次元移動組織プレアデス本艦・超次元要塞サーペンタリウス――エントランス■


「でかいな。無駄にごてごてしている」

焔護は無限回廊をとおり、超次元要塞サーペンタリウスの入り口に到着した。
重々しい扉が眼前に聳え立っている。

「俺に余計な真似をしたことを…死ぬほど後悔させてやろう」

どこからかしたバズーカ砲を構え、発射。扉を吹き飛ばした。
爆破による砂埃が引かないうちに銃声音が響き、足元で床が弾ける。
おそろいのピンクの衣装を着けた数十人の戦闘員たちが銃をもって出てきた。
しかも、以前夕霧が着ていた衣装の色違いだ。つまり、そのままのナース服を着ている。

「…全員女?…しかし…」

襲い掛かる銃弾を器用にかわしながら、焔護は考える。

「色で階級分けてるのか…冠位十二階…?まあいい。―――ひっっっさつ!!!」

眩い閃光が焔護から発せられた。胸の前でクロスした腕をばんざーい、な感じで上に上げる。

「秘儀・衣壊旋風!!」

轟音とともに巻き上がる突風。突如出現した巨大な竜巻に、戦闘員達も身動きが出来ない。
そのうち、戦闘員から悲鳴が上がった。
衣服や武器が風化し、ばらばらと壊れていく。そのうち戦闘員たちは全裸になった。

「女用の技だ」

焔護が堂々と言い放つ。
そんな言葉を無視して戦闘員たちは悲鳴をあげて逃げ帰った。

「あー、行っちまいやがった。統制が取れてるのか取れてないのかわからんな」

とりあえず、先へ進もうとした時、

「待て」


背後から声が掛かった。